本音ときどき嘘建前

こんな感じに仕上がりました

新版・一流の頭脳 運動脳

運動能

運動するモチベーションが欲しかった

前回読んだ、読書脳で紹介されていた珠玉の31冊に選ばれていた本で、本屋を巡ったときにたまたま目に入った。

私は定期的にジムに通っているが、どうしてもサボりがちで、本当は週に2回通おうと思っているが1回しか通えなかったり、ひたすらやらない理由を考えてしまい、ジムに行くまでにうだうだしたりし時間を無駄にしてしまっている。

そういったときに、私のような堕落した人間は、とにかく行動に移すということができるわけがなく、何か運動をするモチベーションを求めてしまう。

目次をチラ見すると、科学的な観点で色々書かれてそうではないですか。

一時期、背中に鬼を宿す親子が喧嘩する漫画を読んだときに、脳内物質のドーパミン・エンドルフィンに注目したことがあるが、結局詳しいことまでは調べることがなかった。

これを機に、科学的な観点から色々書いてある本を一冊読んでみよう。ということでこの本を手に取った。

あと、「運動脳」「熟睡者」「食欲人」のシリーズが並んでて、ジャケットみてシリーズでまとめ買いしてしまったことは、まだ誰も知らない。

印象に残った項目

脳内の領域の連携が強いか弱いか

脳にはプラスの特質とマイナスの特質があるらしい

  • プラスの特質
    • 記憶力が優れている
    • 集中力がある
    • 教育水準が高い
    • 飲酒や喫煙に対する自制心が強い
  • マイナスの特質
    • カッとなりやすい
    • 過剰な喫煙
    • アルコールや薬物への依存

プラスの特質を備えていると、脳の各領域がしっかりと連携していて、マイナスの特質を持つ人は脳内の連携が良くない傾向にあるようだ。

これらの特質は、生活習慣によってプラス・マイナス軸上のどちらに脳が属するかが決まる。

頭の良さやIQは生まれ持った資質の部分が大きいと思いがちだが、生活習慣で決まるのだ。

私は現状確実のマイナス軸に属している自覚があるわけだが、一度マイナス軸に属してしまった場合はもうプラスに戻ることはできないのだろうか?

そうではない。脳は柔軟に変化していくのだ。

事例として、脳が半分しかない女性の例や脳に損傷を受けて生まれた天才少年の例が上がっており、後天的に脳の機能や役割が変化していった事例が紹介されている。

では、何をすれば、脳によい変化を与えるか?答えは簡単。運動をすればよいのだ。

先述したが、私は確実にマイナス軸の属している。

仕事をしながらアイコスを吸い。仕事がリモートになってからは確実に喫煙量が増えた。

さらに本を読む、自己研鑽する。ということがなかなかできず、気が付けば手軽に楽しい動画サブスクやゲームをしてしまい、なかなか本当に自分のためにやるべきことを実行に移すことができない。

しかしながら、カッとすることは滅多にないし、飲酒もたまに友人と飲みに行くくらいで一人で飲むことはほとんどない。

もしかすると、マイナスの特性といえど、部分的にはプラスの特性だったりと脳の領域によってプラス・マイナスの軸が異なるということもあるのかもしれないなと思った。

運動をすることでストレス耐性が増えていく

ストレスには、コルチゾールというストレスホルモンが影響している。

ストレスが発生する構造としては、私たちの体に備わっているHPA軸というメカニズムによって、何かしらの刺激を受けると、コルチゾールが分泌され、コルチゾール血中濃度が上がることで、動機が激しくなったりすることで、ストレスを感じるという仕組みだ。

さらにそのストレス反応によって、刺激を受け、さらなるストレスが生み出されるということもわかっている。

ドラゴンボールの悟空は息子の悟飯と精神と時の部屋に入ったときに、ずっとスーパーサイヤ人でいることで、スーパーサイヤ人になったときのそわそわ感をなくし、スーパーサイヤ人でいることがごくごく当たり前な状態にまでもっていった。

この事象のストレス版を運動によって実現できるというのだ。

通常のメカニズムとしては、

1.運動をして、肉体に負担をかける
2.コルチゾールが増える
3.運動が終わる
4.元の値に戻っていく

しかし、例えばランニングを定期的に続けていくと、2で分泌されるコルチゾールの量が増えにくくなり、さらには4で運動後に下がる量は逆に増えていく。

つまり、運動によるストレスを感じにくくなっているわけだが、それだけではなく、運動以外のことが原因のストレスを抱えている時でもコルチゾールの分泌量がわずかしか上がらなくなるというのだ。

この状態って、スーパーサイヤ人でいることをごくごく自然な状態とする修行にも似ているし、死の淵に立たされて復活すると戦闘力が大幅に上昇する現象とも似ている。

つまり、私たちは少なからず、サイヤ人の血を引いていると言っても過言ではないのかもしれない。

報酬系のシステムを利用して集中力を取り戻す

報酬系は私たちが何かしらの行動を起こすための原動力となる強力なシステムだ。

報酬系に欠かせない物質が、「ドーパミン」だ。

おいしいものを食べたり、社会的交流、運動や性行為のような、生物として生存確率を上げ、遺伝子を残すことにつながる行動がドーパミン分泌につながる。

で、このドーパミンだが、運動によっても分泌量を上げることができるというのだ。

なぜ、運動するとドーパミンが分泌されるのかというと、私たちの祖先は、狩猟や住処を探すときに走っていたためこれが生き延びるための行動であるのでは?と考えられている。

これって、現代人の脳の仕組みは、超昔からあんまり変わってないってことになるが、それはそれで単純でわかりやすい。

脳の構造が変に進化してて、複雑な条件下でないとドーパミンが分泌されない。ってなるよりかは全然ましなわけだ。

原始人でよかったー!

報酬系の働きにも個人差がある

生存確率をあげる状況下において分泌されるドーパミンだが、人によって放出される閾値はことなるようだ。

閾値が高い人は、報酬中枢を活発に働かせるのに、より大きな刺激が必要になる。

そのため、すぐに気持ちが高揚するものを求め、時間がかかるものには目を向けたがらず、「長期的な目標を立てて辛抱強く取り組むことが苦手で、大小さまざまなものに目移りしがちになる」という傾向がみられるようだ。

私は、長期的な目標に向かってこつこつ頑張るってことが自分は本当に苦手で、様々な本を読んだり、習慣化を試したりしてきた。

しかし、成果がでるのに時間がかかることも理解しているため、今この瞬間頑張ることがどうしてもできないので、まさに閾値が上がってしまった人間なのだ!とこれを読んでいて雷が落ちたような衝撃を受けた。

また、ドーパミンは集中力にも関係しており、例えばカフェにいて本を読んでいるときに周りの雑音が聞こえにくくなる事象を経験したことがある人は多いと思う。これもドーパミンが関係している。

こういった事象から、人にとってドーパミンとは単なる報酬の脳内物質であるだけでなく、集中力を保つためには絶対に欠かせない重要な役割を果たす物質でもあるということがわかる。

報酬系の働きをいい感じにコントロールすることで、ドーパミンを上手に分泌して、自分の人生もいい感じにコントロールできそうな予感がしてきた。

しかし、ここで一つ疑問が残る。

ドーパミンが分泌されることで集中力が増すことは分かったが、ドーパミンを増やすことって可能なのか?

これは科学的に解明されている。

答えは簡単

ドーパミンを増やすためには体を動かせばよい」

脳内最強格の物質を用いてモチベーションを取り戻す

脳内最強格の物質として、BDNFが紹介されている。

BDNFは、主に大脳皮質や海馬で合成されるたんぱく質で、

脳細胞がほかの物質によって傷ついたり死んだりしないように保護する

  • 新たに生まれた細胞を助け、初期段階にある細胞の生存や成長を促す
  • 脳の細胞間のつながりを強化し学習や記憶の力を高める
  • 脳の可塑性を促して細胞の老化を遅らせる
  • 脳細胞の新生をも促す

といった、様々な働きをしてくれる物質のらしい。

BDNFを増やすための方法は、言わずもがな「運動をすること」。

基本的に人間の脳細胞はどんどん死滅していくのだが、新しく作られもしている。

うつ病になると、新しい細胞が作られなくなり減る一方のため、意欲の低下が引き起こされる。

つまり、脳細胞がきちんと増え続けていれば、意欲の低下は引き起こしにくくなるとも言えるのではないか?

運動をすることでBDNFが増え、脳細胞が増えていき、意欲の低下を抑制する。といった構図である。

自家製のモルヒネ

みなさんは、モルヒネという物質をご存じか?

シャーマンキングでファーストが全身にモルヒネを打っており、痛みを感じないといっていたあれだ。

鎮痛剤として絶大的な効果を誇るモルヒネだが、これは脳細胞の表面に受容体があり、モルヒネと受容体が結合することで効果を発揮する。つまり受容体がなければ鎮痛作用などは起こらないわけだ。

ここから素晴らしい人体の不思議に触れていく。

モルヒネはケシの実から生産される薬物、アヘンから抽出されたものだ。

では、なぜ人体に自然界から取れるモルヒネを取り込む受容体があるのか?

これは、脳が自家製のモルヒネを合成することができることを示唆している。

この自家製モルヒネは、「体内性モルヒネ」、略して「エンドルフィン」だ。

エンドルフィンきたー!

ランナーズハイという事象を聞いたことがあると思う。

これは実在するもので、ランナーが全力で走った2時間後にエンドルフィンのレベルを測定するとランナー全員のエンドルフィンのレベルが走った後に増えていた。という調査結果があるというのだ。

つまり、走ることでエンドルフィンは分泌されるというわけだ。

ランナーズハイに関しては、

  • 少なくとも45分は走らないと起こらない
  • 頻繁に走れば走るほどランナーズハイになる可能性が高まる
  • エンドルフィンが放出される量も、運動量が増えるほど増加し、ランナーズハイになりやすくなる

ということが分かっている。

エンドルフィンを分泌して、高揚感を得ることで意欲的に物事に取り組めるようになるわけだ。

普段の運動においては、ランナーズハイまで行かなくてもプチ・ランナーズハイ状態で十分に恩恵にあずかれる。というプランニングが提案されている。

まとめ

運動脳では、紹介したものの他にも

  • 記憶力を上げる
  • アイディアをひらめく
  • 学力を高める
  • 健康になる

などについても、運動が解決してくれるということが書いてある。

結論としては、

  • コンディションを最高に保つなら、週に3回45分以上のランニング
  • 脳への影響を考えると、筋トレより有酸素運動のほうが望ましい

という形で、一般人が何をすればいいの?という部分を提示して終わっている。

つまり、筋肉もすべてを解決してくれるので、有酸素運動もするし、筋トレもすれば今後の人生はすべてうまくいくんじゃね?というのが、今回の私の結論。

とっても興味のあった、ドーパミン・エンドルフィンについて、科学的な観点から解説してくれている本だったので、とても楽しく興味をもって読むことができた一冊だった。

作者

アンデシュ・ハンセン

精神科医スウェーデンストックホルム出身。

カロリンスカ研究所(カロリンスカ医科大学)にて医学を、ストックホルム商科大学にて企業経営を納めた。現在は、上級医師として病院に勤務するかたわら、多数の記事の執筆を行っている。

これまでに、「ダーゲンス・インドゥストリ」(スウェーデンの経済新聞)、「SvD」(スウェーデンを代表する朝刊紙の1つ)、「レーカレ・ディードニング」(スウェーデンの医療関係者向けの雑誌)、「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」などに医学研修や医薬品に関する記事を2000件以上寄稿。ラジオやテレビでも情報を発信し、特にテレビ番組「科学の世界」への出演で有名。自身のテレビ番組もスウェーデン国内で持っている。講演活動も積極的に行っている。

精神科医として活動するかたわら、テニス、サッカー、ランニングに励み、週に5日、少なくとも1回45分取り組むようにしている。

主な著書に「スマホ脳」(新潮社)などがある。

読書脳~新版・読んだら忘れない読書術~

自分ができること・できないことが分かってきた諦めの30代

私は本を読むのが遅い。なので、1冊数十分で読める。という技術はとても魅力的で、読書に関する本といえば、速読の本ばかり読んできた。

時には速読のためのトレーニングをしたり、いろんな読み方を試してみたりしたものの、なかなか頭に残らない。そのうち、早く読むことが目的になってしまい、読んだ内容を頭に残すこと、本に書いてあった内容を実践することがおろそかになってしまった。

30代になって、世知辛い世の中を知り、社会の荒波に揉まれ、自分にできることとできないことの区別がついてきて、本をものすごいスピードで読み、且つ、内容を頭にばっちり残す。というのは難しいということを理解した。諦めの境地。大人になるということは色々な物事を諦めるということだ。夢や希望を諦めるたびにまた一つ大人の階段を登ることができるのだ。そんなわけで、爆速で本を読み切ることは諦め、また一つ大人になった私は、如何に読んだ内容を頭に残すのか?本を読んだ結果、何を得たのかに重点を置くようになった。このブログもその一環である。

読書脳。素晴らしいタイトルだと思った。だって、脳。今自分がやろうとしていることを実現できそうなタイトルだ。

本を読んだ内容を忘れないための技術を身に着けることで、本を読むのに使った時間のより多くを自分の成長につなげられそうだ!

そんなことを考えながらこの本を手に取った。

印象に残った項目

本書では、読んだ本の内容をどれだけ自分のものにしていくか。の方法論に加え、読書がどれだけ人生を豊かにするかについてとても多くのページを使って書かれている。

読書で脳が成長する。ストレスも軽減される。お金も成功も手に入る。何より読書は楽しい。すべてを解決するのは筋肉だと思っていたが、どうやら読書でも人生の大半の課題を解決できるようだ。

そんな中で面白かった項目をいくつかピックアップしていく。

読書術とは時間術

読んだ本の内容を忘れない方法については、2章の冒頭に書かれている。

  • 読んだ本について、1週間に3回アウトプットする
  • 読んだ時のわくわく感や怖いなどの感情にともなう脳内物質を利用して、記憶に残す
  • 人に説明できるくらいの精度で本を読む

という概要となっている。

これだけをみると、本をきちんと読みこむ必要があるし、プラスでアウトプットする時間を必要になるため、ガンガン本を読み進めていくスタイルと比べて、本を読む絶対量自体は少なくなるような印象がある。

しかし、そうではない。そうではないのだ。

読書術とは、言ってしまえば時間術なのだ。

普段スマホをいじっているちょっとした時間、電車に乗っている時間などの活用し、そもそもの本を読む量を増やすこともできるし、「今日一日でこの本を読みきる。」という目標をたてると、時間的なリミットがかかるので、より集中して本を読むことができ、より記憶にも残りやすい。というわけだ。

結局、自分で頑張る方向の解決方法なのかい!

なんかすんごい裏技的なあれで、一発で記憶に残るとかじゃないのかい!

と、思う人もいるだろう。

しかし、私は知っている。

とある方法を試すだけで、超人的な能力が手に入ったり、簡単に退勤が転がり込んできたりするようなことは、ほとんどない。

だいたいが地道な努力の結果手に入るもので、それらを手に入れる方法はただ一つ、目標に向かって行動することである。

そういった意味では、スマホいじるとか無意味なことをせずに本を読め!そしたら本を読み切ることができる。と言っているこの本の主張は非常に本質的だと言える。

複数冊にわたる読書の方法について

3章以降は、2章で紹介された方法を実践していくための具体的なアプローチ方法について書かれているが、細かい読書法については、巷で結構言われている内容が多かった印象。

ただ、5章の読む本をどのように選択するかついてが個人的に面白かったので印象に残っている。

  • 読んだ本の内容をより深めたいなら、その本の出典元を次に読んでみる
  • Amazonなどで、この本を買った人はこんな本も読んでいます。をたどってみる
  • わくわくしている時に読む本が一番記憶に残りやすいので、別ジャンルでもその時読みたいと思った本を読む

など、何を読むべきかの選定基準について書かれている。

私の職業はエンジニアなので、技術の本などは同じジャンルの本を買ってまとめて読むことで、そのタイミングで一定以上の技術知識を身に着けることをしたり、面白い小説に出会ったときはその作者の本をまとめて読むことはあるが、自己啓発系の本についてはあまり一つのジャンルを深堀することはやってこなかった。

なんだかんだ、面白そうな本がいっぱいあって、その時読みたいなと思った本をジャンル問わず読んでいく。そんな本の選び方が多い。

そんな私であるが、今までにこの手法でまとめて本を読んだことが2回ある。

そのジャンルは、「貯蓄や投資に関する本」と「読書術系の本」だ。

これらをまとめて読んだときは、本ごとに好き勝手なこといってんなーという内容やどの本でも同じことを言ってるなーという内容が頭に入ってきやすかった。

これらの分別ができるようになると、実践する内容としては、

どの本でも述べられていること→実践する

本ごとに異なる主張→自分にあったものを必要に応じて実践する

という棲み分けができ、自分なりのオリジナリティあふれる方法で実践することができる。

この方法を試した結果、読書系、特に速読関連の内容については頑張ってみたものの身につかず全敗だったが、貯蓄や投資については、自分がやるべきことをそのタイミングで確立し、その運用は数年たった今も安定して続いている。

せっかく時間を使って読んだ本の知識をどこまで消化させていくかどうかは、次にどんな本を読むかによって変わってくるのだ。

[回想]私の人生で一番本を読んだ時期

小説をたくさん読むなら読書友達を作ること

私が最も本を読んだなと言える時期が大きく2回あった。

1回目は、小学校高学年〜中学卒業まで

2回目は、社会人4年目〜6年目まで

この本を読んで、自分が一番本を読んでた時期っていつだっけなーと振り返ってみたところ、この2回が一番本を読んだ時期だった。

もちろん、それぞれの時期でやっていたことの違いはある。

高校時代は、野球部の練習に明け暮れ、大学時代は、不真面目ゲーム大好き大学生だったし、社会人になってはじめのうちは、プログラミングや技術に関する本を読むことが多く、読書というより、技術のお勉強のほうがメインだったりした。

もちろん、これらの時期に全く読書をしていなかったかというとそんなことはなく、どんなに読んでなくても年に1冊は本を読んでいたと思う。

1冊ってとても少ないように思えるが、人生で大切な色々なものをおろそかにしても熱中できるものがある中でも本を少しずつでも読み続けていた。ということは、やはり読書が割と好きな方なのかなと思う。

さて、この2回の時期には共通する部分があることに気がついた。

それは、「読書友人がいた」ことだ。

1度目は、たまたま読んでいたローワンシリーズを読んでいたクラスメイトがいて、盛り上がった結果ローワンシリーズ以外の本もお互いに教え合うようになり、本を貸し借りするようになった。

また、その頃はハリー・ポッターシリーズが出だした時期で、長編の物語系の本を沢山読んだ。

2度目は、芦沢央の「火のないところに煙は」が面白すぎて、会社の同僚におすすめした結果、お互いに芦沢央にハマり、発売している本を片っ端から買い集め、湊かなえ恩田陸など、お互い気になった作家の本を集め、おすすめし合うことでひたすら読書をする。という日々を送っていた。

どちらも、同じ趣味の友人がいて、本を読むのが面白いし、いい本をおすすめしたいし、おすすめされた本を早く読みたい。という気持ちがあり、読書に没頭していた気がする。

自己啓発系をたくさん読むなら尊敬している本を聞いてみること

2回目の本を沢山読んだ時期には、小説だけではなく、自己啓発系の本もたくさん読んだ。

とはいっても、1日1冊読み切れるようなスピードで本を読むことはできないので、月2,3冊くらいではあるが。

自己啓発系の本はもともと好きで、数ヶ月に1冊くらいは読んでいたのだが、そのときは会社で各プロジェクトのチームリーダーたち(社歴10年くらい)が集められ、取締役が自ら研修を行う社内大学みたいな取り組みがなされていた。

この取り組みの中で、必ず課題図書というのが出されていて、取締役が今まで読んできた中で良かったものや、難しい本であればその入門編の本などがリストに挙げられていた。

私はその時まだ、4年目、5年目くらいの時期だったのでそのメンバーに選ばれることはなかったのだが、メンバーの中にとてもお世話になっている先輩がいたのと、社内大学の講師をしていた取締役が、少し前にカリスマ的雰囲気を醸し出しながら新しく就任したばかりの取締役だったため、私はこの社内大学の内容に興味津々だった。

その興味津々の一環として、課題図書のリストに乗っている本はすべて読んでみて、会社で偉くなる人がおすすめする本、社会人10年目の先輩が勉強するために読む本を若手のうちに先取りしてしまおう。みたいな若気のいたりムーブをかましていた。

今、kindleを見返してみると、

  • イシューからはじめよ
  • 「超」入門 失敗の本質
  • 失敗の本質
  • ドラッカーと会計の話をしよう
  • もしドラ

など、なんとなーく有名どころや有名どころに向かうための入門書的な本が並んでいた。

私は当時、課題図書として読み切って満足してしまっていたが、本当に身につけようと思ったら、これらのジャンルについて、他の本をまとめて読んでいっていればより深い知識が身についたんだろうなと今になってみれば思うし、取締役もそういったムーブを期待していたに違いない。

振り返ってみると、この頃から、読みたい本が読み切れなくなってきて、本を早く読むための速読沼にハマっていった時期でもあった。

まとめ

読書関連の書籍は、読書術にのみフォーカスされることが多く、この本に書いてあることも重複するような内容が多かったが、著者の樺沢さんは、「アウトプット大全」などアウトプットについての本も書いていることもあり、どうすれば読書がより自分の成長につながるか?にフォーカスしている部分が読み応えのある本だった。

また、こういったアウトプットや自己成長に魔法みたいな方法はなく、着実に行動を積み重ねていくしかない。といったニュアンスできちんと書かれているのも好印象で、その中で如何に楽しんだうえで、自分の血肉にしていくかを考えるきっかけとなる本だった。

作者

樺沢紫苑(かばさわ しおん)

精神科医、作家。1965年札幌生まれ。札幌医科大学医学部卒。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(46万人)、メールマガジン(12万人)など累計100万ふぉろわーに情報発信をしている。著書45冊、累計発行部数230万部のベストセラー作家。シリーズ累計90万部の「アウトプット大全」(サンクチュアリ出版)をはじめ、「神・時間術」(大和書房)、「ストレスフリー超大全」(ダイアモンド社)、「言語化の魔力」(幻冬舎)など話題書多数。読書については本書が唯一の書籍である。

世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた

社会のあらなみ、世の中のしがらみに疲れてしまった

もっと収入が欲しかったり、ストレスの無い生活が送りたいが、実現するためにはまだまだ時間がかかる。
頭のいい人は、たくさんのお金を稼いで、ストレスのない生活を送っている人が多い印象(小並感)
たまたま入った本屋でこの本を見つけて、頭のいい人がやってることを真似すれば自分の頭が良くなくても近づけるんじゃね?って発想でこの本を読んでみることにした。

この本の学び

よくある自己啓発本に書いてあることとかぶる項目が多かったが、その中でも改めて面白いなと思ったことをメモってみる。

CHAPTER2 世界の「頭のいい人」が心がけていること

適度なストレスを与える

ストレスなく生きていきたいからこの本を手に取ったのに、適度なストレスをあたえる必要があるみたいです。
私はこの本をそっと閉じることにしました。
〜Fin〜

そんなわけで、ヤーキーズ・ドッドソンの法則です。 適度なストレスが学習パフォーマンスを最高レベルに高めてくれるとのこと。 勉強や仕事をしている時点で適度なストレスに晒されているのでは?と思ったけどそうではないみたいで、例えば締切効果。
期日まで残り1週間あるときは全然やる気が出なくて全く進まない。
パーキンソンの法則から見事に抜け出せないことが多い私ですが、明日までに終わらせないと行けないとなると、人は凄まじい集中力を発揮する。

つまりはある程度、自分にプレッシャーを掛けることで適度なストレスが掛かり最大限のパフォーマンスを発揮できるというまさにドM戦法というわけです。締切のないタスクはいつまでも終わらないのは、自分にプレッシャーが無いからなんでしょうね。

ライバルを見つける

ライバルのいいところを盗んで自分もできるようにする。そうするとライバルももっと頑張る。的な良き関係を作ることで、お互いを高め合うことができる訳です。
世の中に個性という特殊能力をもった人がいて、その個性を悪用するビランたちを取り締まるヒーローになるためにヒーローアカデミアに通って、仲間たちと切磋琢磨したり、大海賊時代だったり、たまたま自分がスパイでコードネーム黄昏とか呼ばれてて、偽装家族を領域展開したところ、嫁は殺し屋で娘は超能力者で黒閃!みたいな少年誌的な展開になることなんて人生に1回か2回くらいしかありません。
自分の人生の中で、一番ライバルと切磋琢磨した時代っていつかなーと思いだしてみたのですが、中学時代一緒に塾に通っていた仲良し3人組がとても印象に残っています。

成績としては、3人とも拮抗していた3人だったのですが、お互いテストの点数を見せあっては一喜一憂してました。そんなある日、10分の休み時間に私が3人組の一人とおしゃべりしにいったところ、その友達は、塾の課題をやっていました。それを見た私は、「おいおい、抜け駆けはずるいだろ」と思ったのですが、全然抜け駆けなんかではないですよね。そんなこんなで少しでも隙間の時間を見つけて勉強しだすという週間が中学時代は身についていました。

せっかくの休み時間を勉強に費やして、それで良かったの?という声も聞こえて来そうですが、放課後遊ぶとき遊びますし、部活も習い事も思いっきりやっていたなかで可能な限り時間を見つけてやっていたという感じだったので、むしろ満足感が高かった記憶があります。

さらに、自分が結構課題を進めたなと思って塾に行っても、他の2人もそれなりに課題を進めてくるので、もっと時間を捻出できないか?と考える癖がつくようになりました。

大人になってからそういったライバルいないなーって感じですが、ライバルを見つけることでより自分を高めることができるというのはすごいわかるなと振り返ってみて改めて思いました。

CHAPTER3 世界の「頭のいい人」のスケジュールの立て方

自己診断書を作る

自分の今までの努力の記録をつけることで、

  • さらなる努力のモチベーションとする
  • 目標を達成できなかったとしても、自分はこれだけやってきたという自信になる
  • 新たな目標を見つけるきっかけとなる といった内容でした。

私も自分のやったことへの記録をつけようと思い実践したことがありますが、3日坊主&リセットグセがあるため、少しの期間記録をつけても、1週間から2週間の間にやらなくなってしまいます。そして、またやろうと思ったときには新しいノートを買って新しい記録としてつけ始める。といういつまでも記録がたまらない悪循環に陥ってきました。これでは、数週間、数ヶ月たったあとに見返すことなんてできるはずもなく、新しく記録をつけ始めたときのモチベーションはあっても、振り返ったときのモチベーションは半減、もしくは無いに等しいです。紙とかアプリとか色々試してみたけど、毎日記録するってこと自体がめんどくさいんだよな〜

CHAPTER4 世界の「頭のいい人」の自己分析と自己改良

強気のふりをする

人間は無意識に「誰かが何かを行ったとしても、自分自身が持っている「自己イメージ」に合致することにしか同意しない」という性質を持っているらしい。

逆に、自分が気にしていることでは、人に指摘されるととっても効いてしまう。ということも書かれていました。(そんなに太ってない人でも、自己認識として太っているというコンプレックスを持っていると、「デブ」と言われたときのダメージが違う)そんな心が折れそうな瞬間が訪れても、強気のふりをすることで、心おらずになんとか前に進んでいける。そういった効果がある。APEXというゲームがあります。

3人1組のチームを組んで、20チーム合計60人が銃で打ち合い、グレネードやスキルを駆使して最後の1部隊まで残ることを目指すバトルロワイヤルです。

マップをお散歩していると、敵と遭遇します。
そうしたときに、「やばい、敵と遭遇してしまった。どうにかして戦闘を回避したい」と思いながら戦うと大体ろくなことになりません。
逆に、「やるっすか?やるっすか?」と強気に攻めたときのほうが、感覚値ですが勝率が高い気がします。
自分がつらいとき、相手もつらいんです。怖いんです。
そこを如何に強気に攻めるか。これが勝利への第一歩な気がします。
たまに笑顔で戦車のように次々と敵をなぎ倒していく化け物もいますが、才能の話はまた別のお話。

まとめ

CHAPTER5 世界の「頭のいい人」に近づくために
にも書いてあったが、やるべきことをやるためには、自分を律し、怠け心と戦いながら自分の目標のために行動していく必要がある。
ただ、ひたすら頑張るってだけだと疲れちゃうので、頑張るための環境をきちんと作ることが重要であることは色んなところで言われている。

作業環境などの物理的な環境だけでなく、自分の習慣や自己認知、人間関係も環境として整えることでもう少しだけ頑張りやすい環境を作ることができるんじゃね?
そういった環境を整備した上で、行動しないとだめなんだけどね。
宝くじ買いに行こ

著者経歴

中野信子

1975年、東京生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学選考博士課程終了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。現在、東日本国際大学特任教授、東京芸術大学客員教授。著書に「脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?」「人は、なぜ他人をゆるせないのか?」「サイコパス」「空気を読む脳」「ペルソナ 脳に潜む闇」「キレる!」「「嫌いっ!」の運用」など多数。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。

窓ぎわのトットちゃんと続窓ぎわのトットちゃん

この時代に続編がでたら読まない理由はなかった

変更確認 今まで「窓ぎわのトットちゃん」を読んだことがなかった。
私の周りの友人は、小学校の授業で夏休みに読書感想文の課題図書になっていて読んだことがあったり、先生が読み聞かせをするなりして一度はその中身に触れたことがある人が多く、時にはあって早々「もどしとけよ」なんて言ってみたりしてマウントをとってくる始末だ。
そうやって、小中高大~社会人生活に至るまでマウントをとられ続け、トットちゃんを読んだことがないコンプレックスを抱えながら30数年生きてきたわけだが、この度42年ぶりに続編が出たことを知った。
この世の中に生まれて、この時代におっさんと生きている今この瞬間にトットちゃんの続編がでるということは、これは読まざるを得ないわけで、いきなり続編から読むことなんてバイオハザードですら、やるなら1からやりたいとか言いながら結局永遠にApexやっちゃうし、ショートケーキのイチゴは初めに食べるのか最後まで残しておくのかどちらかと聞かれたら、ショートケーキなんてもう胃もたれして食べれないからイチゴだけ食べる私にしてみればできるはずもなく、ファーストトットちゃんから続編とまとめて読むことにした。

文庫本のファーストトットちゃんと単行本のセカンドトットちゃんがAmazonから届いた。
岩崎ちひろさんの絵が印象的な表紙。
カバーをめくるとピンク色の台紙の中で隠れトットちゃんが私を迎えてくれた。

[窓ぎわのトットちゃん]会社に置き換えると地獄だけど、きっと今より少しだけ人にやさしくなれる気がする本

窓ぎわのトットちゃんには、トットちゃんのトモエ学園に入ってから去るまでが書かれている。
トモエ学園のこと、トモエ学園に関わる先生や生徒のこと、トットちゃん自身や家族のストーリーを読む中で、私自身今よりももう少し人にやさしくなれるような気がする本だった。

戻しとけよ

人間は自分で物事を考えてこそ輝くものである。
会社で働いていても、自分で判断できることと判断できないことの判断がつかない人がたくさんいる。
私の場合、その辺の判断は得意なほうで、休憩は休みたいときにとって労働時間6h、休憩時間3hなんて日も週5くらいであるし、会社のアンケートの連絡がきても、そしてそれが全員必須です!とか言われてても、ラジオボタンではないテキストの回答欄が必須項目として目に入った時点でブラウザの閉じるボタンを瞬時に押してなかったことにするという判断もできる。
世の中にはいろんな判断をする人がいる。
人に言われたことをおとなしくやって生きていこう。という判断をする人ももちろんいるだろう。
どんな人でも、子供でも大人でも対等の人として扱って、その人の判断を尊重することが、本来の人間の在り方なんじゃないかなと感じた。

それからさー

会社でも毎週持ち回りで、何かネタを発表するという風潮の部署やチームが存在する。
そういった部署やチームは、往々にしてナチュラルボーン意識高い意欲満載ミラクルジェリクルキャッツだったり、自分自身はぱっとしないけど、うちの部署はなんかいい感じの施策をやっているよすごいだろ?とドやりたいけど、自分では絶対に何もやらないおっさんのトップダウンな部署だったりする。

でも、本当に「ない」のだ。

私の場合は、業務外にそんなことを考えてくる時間とやる気がないわけだが、そもそもこういった発表をやったことがない人にとっては、何を話したらよいかわからない。前の週とかに他の人が発表をしてたじゃん?というかもしれないが、そんなものは聞いてすらいない。

なぜなら、なんかしゃべってたのは覚えているけど、全然興味のない内容だったし、何よりソシャゲのイベント周回が忙しかったりしたらか、以前他の人が何を話していたかなんてこれっぽっちも残っていないわけだ。
そうなったときに、部長やら、チームリーダーやらが、「よーし!それなら作ってみよう!」なんていいだした日には、社員総出で人事部に駆け込むしかないわけではあるが、その人の「話すことがない」に関して、パンがなければお菓子を食べればよい。という発想は、マリーもびっくりアントワネットというわけだ。

[続・窓ぎわのトットちゃん]今の自分には何ができるのか

人は強く、そしてたくましくなれる

人を変えるものって何かを考える。
悔しかったこと、うらやましいと思ったこと、なりたい自分
モチベーションには様々な理由があるが、確実に変わらざるを得ないのが環境だと思っている。
毎朝本を読もう。週に2回はブログを書く時間を作ろう。筋トレもしよう。
基本長いこと続かない。モチベーションに波が出てくる。
だけど、自分が変わることを余儀なくされる。
昔は致し方なく環境を変えざるを得ないことが多かったのかもしれないが、現代社会における環境を変えるが意味するところはつまり自分の判断からやってくるものであるわけで、例えば自分で転職活動を始めておいて、なんで俺が転職活動しなきゃいけないんだよ。なんて思う人はまずいないだろう。

つまりは、自分が変わりたいって思ったときには、自分が適用したときになりたい自分になれそうな環境に身を置くことを考えるのが一番楽なのかもしれない。

咲くは我が身の努めなり

この本で一番気に入った言葉だった。

あなたは何をする人なのか?

この問いに即答できない人は、成功しません。
そんな自己啓発の何かを見たり読んだりしたことがある。

例にもれず、私は未だに即答できないのでもちろん成功者とは呼べないのだろう。
蝶よ花よと育てられ、欲しいものは何でも与えられ、時には畳のイグサをむしるような学生のころから、この理念が浸透し、素直に受け止め、自分は将来どうしたいのかと話し合っている生徒たちはまさしく可憐な花そのものなのだろう。

まとめ

人にやさしくするってとても難しいことだと感じている。
〇〇ハラといった多様なハラスメントが騒がれ、仕事にやりがいや自分の成長を求められるこの時代における人間関係は非常に難しいものになっている。
しかし、結局仕事っていうのは、人と人が作っていくものなので、人との関わりというものは切っても切り離せないわけで、そうしたときに、最低限、人にやさしくすることができれば、やさしさをどこかの悪意に利用されることはあっても、人を傷つけてしまうようなことはなくなるんじゃないかなと感じた。
「やさしいだけなんだもん」といわれ、別れを言い渡されたことがトラウマになっているそこのあなた。
やさしいってとってもいいことじゃんね?

著者経歴

黒柳徹子
東京生まれ。俳優、司会者、エッセイスト。東京音楽学校声学科卒業後、NHK専属のテレビ女優第1号として活躍する。
徹子の部屋」の放送は1万2000回を超え、同一司会者によるテレビ番組の最多放送世界記録を更新中。
1981年に刊行された「窓ぎわのトットちゃん」は、国内で800万部、世界で2500万部を超える空前のベストセラーに。
1984年よりユニセフ親善大使となり、のべ39か国を訪問し、飢餓、戦争、病気などで苦しむ子供たちを支える活動を続けている。